建築作品
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 ◇◇(一社)新潟県建築士事務所協会 建築作品・新潟県賞 全受賞記録◇◇
  平成3年度から始まった当協会の建築作品の審査は、当初(一社)日本建築士事務所協会連合会が行う建築作品表彰の新潟県予選といった性格を有していました。
  しかし次第に作品の質も向上し県内で独自に進化した結果、中央にも遜色ない建築の世界がここ新潟の地に文化として根を下ろしています。
  新潟中越地震で2年ほど中断しましたが、平成28年度第25回までの間に最優秀賞19、優秀賞50、奨励賞26、技術賞1、特別賞1、合計97作品が表彰されています。

 平成28年度 第25回建築作品・新潟県賞

■■■ 講 評 ■■■

審査委員長 新潟大学副学長  西 村 伸 也

  本賞は、新潟県内外の都市・建築として優れた作品を表彰することによって、都市美・建築の計画・芸術・構法その他の技術の進歩向上に寄与することを目的としています。今年は25回目で、県内の建築作品の表彰を長きにわたって続けられた建築士事務所協会の努力と会員相互の交流との大きな成果です。

 今年度の審査は、平成29年1月17日午後1時30分から以下の委員6名で行いました。

   応募された図面と写真等の書類を精読して、それぞれの委員が各応募作品を評価して、相互に熱心な議論を重ねた上で、各作品にそれぞれが30点を最高とした点をつけて、1作品を最優秀賞、2作品を優秀賞、1作品を特別賞に選定しました。
   今年度応募された建築作品は、住宅・店舗・保育園・神社等幅広く、それぞれの作品が新潟の風土を読み解きながら建築空間を提案しており、新潟で活躍されている設計者・設計事務所の高い技術力と創造性を示していた。審査では応募作品それぞれが高く評価されて、これからの新潟県における建築設計の大きな飛躍を期待させるものです。
   審査員全員からの高い評価を得て最優秀賞を獲得した「川通どれみ保育園」((株)長建設計事務所)は、日事連建築賞へ推薦することとりなりました。

最優秀賞 川通どれみ保育園 (株)長建設計事務所
優秀賞 Let It Be 〜あるがままに〜 (株)高田建築設計事務所
優秀賞 彌彦神社第弐桜苑 大成建設(株)北信越支店一級建築士事務所
特別賞 つなぐ家 エヌ スケッチ(非会員)

■■■ 建築作品講評 ■■■

(1) 最優秀賞  川通どれみ保育園  ((株)長建設計事務所)

  「川通どれみ保育園」は、斜めに切り取られた保育室が木の架構体で組まれながら、敷地に沿うように巧みに雁行して組み合わされることで、特有な空間の繋がりと三角の屋根が並ぶ美しい景観をつくり出している保育園である。保育室が45度の分割線に沿って配置されながらも、機能的にグループ(未満児〜2歳児、3歳児〜5歳児)分割をそのエントランスで綺麗に分けている。園庭は、保育室から直接アクセスできるようにもつくられていて、活発な子供たちの動き回る姿が、建築を見るだけで浮かんでくるような優れた計画でもある。木登りの出来る柱や壁の中に隠れることが出来るデンなどの小さな設えも、設計者の優しい眼差しの結果であろう。敷地全体を4方向から見ても、しっかりとした立面が立ち上がっており、優れた計画の上に秀逸なデザインが融合した建築作品として高く評価された。本作品は最優秀賞となった。  

(2) 優秀賞   Let It Be 〜あるがままに〜    ((株)高田建築設計事務所)

  「Let It Be 〜あるがままに〜」は、極めてデザインが難しいであろうと思われる三角形の敷地を巧みに空間を割り込んで創られた住宅である。幾何学の内心・外心・垂心・重心・傍心という5つの中心を使って、それぞれの意味から展開した空間を割り当てている。その操作から生み出された空間は、中庭を望む気持ちのいい居間であり、台形のトイレであり、田園風景に開き片貝花火を望むバルコニーをもつ寝室となって、住宅全体がバランス良く空間分割されている。敷地が三角形であることをみじんも感じさせない豊かな空間の広がりは、設計者の優れた力量を感じさせる。田園の中に佇む景観も優れており、秀逸な建築作品として高く評価される。

(3) 優秀賞   彌彦神社第弐桜苑   (大成建設(株)北信越支店一級建築士事務所)

 彌彦神社の整備事業として、弓道場・相撲場をはじめとする神事の場と参拝に訪れる人たちの憩いの場をつくった弐期工事と参期工事の建築作品である。大きな円形の庭を囲むように漆喰の白と木の黒が鮮やかな建物が取り囲む。一番大きな建物である弓道場は、伐採したご神木を天井に活用して格天井をつくり、神聖な雰囲気のがっちりとした骨格をもつ道場を創りあげている。みずほ館と相撲場も伝統的なかたちを巧みに組合せながら、境内の中に落ち着いた空間として収まっており、外部空間の植栽計画や回遊動線と調和した空間構成が高く評価された。

(4) 特別賞   つなぐ家   (エヌ スケッチ)

 非会員の応募者から特別賞として「つなぐ家」を選定した。田上の山際に位置する敷地に人の集まる住宅を提案している。一階の外部空間から、テラス、集いの間、間の間、くつろぎの間と、人が集まる空間が奥に繋がった構成を持っており、伝統的な続き間の仕組みが現代の中で巧みに空間化された構成をもつ。間の間には、ストーブが置かれて気持ちのいい集いの場が実現している。その煙突は2階の寝室に延びて暖かな空気を繋げてくれてもいる。方形の建物の中に、人の集いを詰め込んだ優れた作品として評価された。


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